K-1GP 二回戦 ユウナ VS アズラエル
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「お待たせいたしました!!会場のみなさま、テレビをご覧の皆様、只今より
まずはこの試合からご覧頂きましょう
ユウナ・ロマ・セイラン VS ムルタ・アズラエル~~!!!!」
歓声とともに会場に姿を現す二人。アズラエルの両背後には全身薔薇に包まれた男たちがついてきている。
ユウナはムーン・ウォークでつい~つい~と進んでくる。
そして両者リング内で睨み合う。
「両者の間には火花が散っていますね。」
「一回戦を忘れられたアズラエルは未知の存在よ。一体どんな戦いを見せてくれるか楽しみね。」
「まったく闇に包まれたその力は未知数!一体どのような技が見せられるのでしょうか!
試合開始!!」
カーーーン
「この華麗なる僕を忘れるなんてまったくありえないよ。でもそのおかげで僕は君と戦えることになったことは感謝しているよ。」
「僕を甘く見ているのかい?なめられたもんだな、僕も」
「違う違う。その反対ですよ。なんてったって君は僕が認める
唯一のファッションセンスの持ち主
なんだからね!」
「まさか彼のあの髪型のことを言ってるの!?」
「あのセンスが素晴らしいなんてありえない!!」
「その色、髪型、眉毛・・そして着こなし。全く君はパーフェクトだよ!!
ぜひ今度僕のコレクションにモデルとして参加しておくれ。」
「僕がモデル・・・?似合いすぎて困っちゃうよね?でも僕は君がデザイナーもやってたなんて知らなかったよ。一体どんなのなんだい?」
「見せてあげるよ。ほら!!素晴らしいだろう!!」
そこに並べられたのは摩訶不思議な色と形の洋服の数々。
「どうだい?この紫総レースのブラウスなんて君にお似合いじゃない?でこの白のラッパズボンをはいて、
ワインレッドのジャケット。胸元のりんごのアップリケが超キュート☆ブーツはヘビ皮で太陽の塔のマークの
ベルトをしめる。帽子はこのダチョウの羽つきテンガロンハットで決まり。
どうだい!素晴らしいだろう!!」
「うっ・・こ、これは一体どう言葉で表せばよいのでしょうか。もはやあれは人類を超越した新人類のような、それにしてはやたら古臭いような怪しい物体と化してきました。」
「アズラエル選手のキモさというよりユウナ選手のキモさが際立ってきちゃってるわね。アズラエル選手、作戦失敗だと思うわ。」
「確かに!アズラエル選手のセンスのキモさは証明されたことにはなりますが、それ以上にあのユウナ選手の容貌のキモさが倍増されてユウナ選手ばかり目がいってしまいます。」
「・・まぁそれでもかまわないさ。平民に僕の高尚なセンスなどわかりはしないさ!」
と、言いながら薔薇を摘むアズラエル
「どうやら僕の負けのようだね。でもその素晴らしい姿を見れただけでいいとしよう。この薔薇はお祝いだよ。」
と、薔薇をユウナに渡した瞬間
薔薇が枯れた
「なんということでしょう!!ユウナ選手のキモさは生命を奪ってしまうほどの威力ということでしょうか!!ああ!アズラエル選手の後ろの薔薇がどんどんしおれていきます!!そしてだんだんその下の人たちの姿が見えてきました!」
「あれ!ジブリールさんじゃないですか!隣はスティングさんですね!薔薇のなかにいたんですね!ご苦労さまです。」
「一気に枯れたわね。それにしてもこれは人体にも危険なんじゃないかしら。放射能なみに有害なんじゃない?」
「それは大変です!!お客様!早く逃げてください!!姿を決して見てはいけません!!速やかに退避願います!特殊部隊突入開始!!有害物質を撤去せよ!!」
キラ、アウル、バルトフェルドら大会危機管理部門特別任務部隊がリングに突入。ペンキをホースで撒き、網で捕らえ、黒いビニールを被せ、ガラスの密閉容器に入れて外へ運び出していった。
「これでもう大丈夫です。これはとんでもないことになりました。まるでテロ攻撃にあったかのような惨劇。しばらく試合再開は出来そうにありmせん。次の試合はイザーク選手とアスラン選手の対決を予定していますがこの会場の混乱が収まるまでしばらくお待ちください。」